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倉敷市内に唯一の木造平屋建ての特別養護老人ホームである、
「社会福祉法人愛育福祉会 地域密着型特別養護老人ホームめばえ」さんにお伺いしてきました。
何やら平屋に込められた熱い想いがあるとのことで、根掘り葉掘り聞いてみようと思います。
アメポケ「今日はよろしくお願いします」
植野施設長「よろしくお願いします」
植野さんはとっても異色な経歴の持ち主で、めばえさんで最初は歯科衛生士として勤務されていて、口腔ケアに力を入れられていたそうです。
最初の頃は、口腔ケア体操を入居者の方々にしていると、半分はお耳が遠く聞き取れず、半分の方々は認知機能の低下で認識ができずで、難しさに苦戦されていたようです。
植野施設長「診療所と同じ指導は、介護の世界では違うんだなぁと思い、高齢者について勉強するようになりました。それから、摂食・嚥下の勉強をしています。岡山大学病院のスペシャルニーズ歯科センターで摂食・嚥下の研修会をしていて、ずっと学びに行っていました。それが楽しくなっていって、ケアマネジャーの資格を取得し、以降ケアマネとして活動していました。」
植野施設長「ケアマネジャーをしていたら、介護以外にも福祉の制度や法律が関わってくることがあって、もっと勉強しなきゃなと思い。養成校に通って社会福祉士を取得しました。」
アメポケ「いや、さらっと言われていますがすごいですね!!」
ケアマネジャーとして在宅に関わられた時も、それまでの在宅の関わりは訪問歯科くらいだったようで、未知の部分が多かったとのこと。
アメポケ「めばえさんで勤められたのはいつからだったんですか?」
植野施設長「平成18年からです。最初はデイサービスの歯科衛生士として入職して、それから居宅介護支援事業所でのケアマネ、特養の相談員をしていて、施設長になって5年目になります。」
アメポケ「では歯科衛生士から今の転身までずっとめばえさんでされていたのですね!」
植野施設長「そうですね。色々と経験させて頂いています。」
アメポケ「では本題に。倉敷市唯一の平屋の特養とのことで、そこに込められた想いや経緯をお伺いしても良いですか?」
植野施設長「もともと愛育福祉会は保育園からのスタートで、平屋の建物です。それもあって、グループホームも平屋、特別養護老人ホームも平屋で建築しました。」
植野施設長「倉敷市内に住んでいる高齢の方々は、大体ご自分のご自宅が1階または2階で居住されてきたようで、いきなり施設に入所して3階、4階の生活って違和感だと思うのです。窓を開けたら隣のお家の畑が見えたりとか、窓から見える景色がご自宅と変わらないことが認知症の方々にとって落ち着きやすいのかと思います。窓から見える景色が屋根だけとかだと、まだ入院しているのかなと認識されている気がします。」
植野施設長「いつまでも病院や施設にいるではなくて、限りなく自宅に近い環境で生活ができることが大切だと思うのです。その一つが“窓から見える景色”なのかなと思います。」
アメポケ「確かに!!自分ごとで考えると3階、4階の生活はマンションで生活していない限り違和感かもしれないですね。」
植野施設長「部屋の中をきれいにすることは当たり前だと思うのです。環境整備って車椅子を安全に取り回せるとか転倒が予防できているとか、もちろん大切なのですけど、窓から見える景色など、その方がその方らしく限りなく自宅に近い感覚になれることを大切にしています。」
植野施設長「もう一つ、独自の取り組みで、各ユニットに一人の夜勤体制にしています。」
アメポケ「それは特養であまり聞いたことないです!」
植野施設長「これも平屋だからできるんです。これにより夜間業務の改善を図っています。昼もユニット体制で、夜もユニット体制を大切にしています。せっかくユニットケアを大切にしているのなら、夜も同じユニットケアが大切だと思うのです。」
植野施設長「新人の方が入られて夜勤開始になるまで、半年以上は日中の育成期間としています。その後夜勤開始になっても、夜勤業務が独り立ちできるまで1人サポートが付いて、3ユニットを4人で回します。必ず主任かリーダー級のポジションがつくようにしています。平屋なので、すぐサポートに入れますからね。」
「すごく徹底された業務管理ですね。入居者様も、普段から顔を合わせている方であれば、夜間も安心ですものね。お一人お一人の個性や習慣も把握しやすいですし。新人の方も安心して介護を学ぶことができますね。」
植野施設長「あと災害時の避難も、平屋はしやすいです。段差がないですからね。」
植野施設長「食事もゼリー食を提供しているところに変更しています。変更の際には、管理栄養士や他の職員と共に何度もテイスティングしました。監修しています。食事に関してはとてもこだわっていますね。摂食・嚥下コンサルも入れていて、ここ数年での誤嚥性肺炎での入院は1名くらいです。適切な食形態や摂食・嚥下の知識を学び、ケアに活かしています。」
アメポケ「ありがとうございます。今後目指されていることを教えていただけますか?」
植野施設長「目標はレッツ・チェンジ・ザ・ケアワーク、です。昔の介護職ってネガティブなイメージが強いと思うんです。3Kなどですね。何十人も一人でオムツを変えるとか。そういったケアのイメージをガラリと変えていきたいのですよね。同じ敷地面積でも3階建て、4階建てに比べると、平屋の建物は高コストですが、本当に良いを追求していくと、それがちゃんと満足に繋がっていくのです。業界を明るいイメージにチェンジしていきたいですね。」
お話の中で感じることは、プロフェッショナルとして妥協なく仕事に向き合われていることです。平屋に込められた想い、とても勉強になりました。
植野施設長、貴重なお時間をいただいてありがとうございました^^
☆めばえさんは想いに共感する方を募集されています。詳しくはH Pをご覧ください。
https://www.aiikufukushi.or.jp/index
めばえさんのInstagram
https://www.instagram.com/mebae.ai/