今日もやってまいりました、アメポケ突撃取材、略して「アメ突」!
はい。今回は、認知症ケアでとっても有名な、とある老健さんにお邪魔しています。
こちらです!!
でっかいですよね!!!!
どこかわかりますか?クイズです!
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正解は、笠岡市にある「きのこ老人保健施設」さんです!
写真右上の水道タンクの絵がヒントだったんですね〜。
では、早速お邪魔してみましょう。
アメポケ「こんにちは〜」
宮本さん「こんにちは」
こちらが、きのこ老人保健施設で施設長をされている、宮本憲男さん。
アメポケでもとっっっっっってもお世話になっている方です。
丹野さんが出演される時も、宮本さんが力になってくれたから実現したものです。
もう、足向けて寝れません。
ちなみに、今記事を書いている岩田は、川崎医療福祉大学医療福祉学科出身なのですが、宮本さんは大先輩の1期生の方です。
もう、足向けて寝れません!
では、早速お話を伺っていきましょう。
寝られているわけではなく、瞬きの瞬間を撮影してしまった図です。
アメポケ「よろしくお願いします」
宮本さん「はい、よろしくお願いします」
アメポケ「早速なのですが、きのこ老人保健施設(以下きのこ老健)さんについて教えてもらえますか?」
宮本さん「はい、うちは認知症専門の老人保健施設です。これ、そうそうないですよ」
アメポケ「そうそう無いですか」
宮本さん「ワンフロアが認知症棟ってのは、よくあるんですよ。うちは80床なんですけどなんですけど、全てが認知症専門です」
アメポケ「そら、すごいですね」
宮本さん「認知症の分類が3A以上の方が入られています。中度以上ってことです。うちに入られる方は、グループホームからや、もちろん在宅もそうですし、あとは病院とか施設系ですね。BPSDの症状が顕著に出ているなど、うまく介護できなくなってしまった方が多く入られています」
アメポケ「他のところで対応が難しくなってしまった方が入られることが多い、ということですか?」
宮本さん「そうです」
宮本さん「オープンの時から変わっていません。隣にある系列病院が認知症専門なんですよ、きのこエスポアール病院なんですね。その病院の出口を担う役割がうちの老健です。」
アメポケ「そういった経緯で始まったとなると、最初から認知症の方が多くなりますね」
宮本さん「そう!だから自然と認知症のプロフェッショナル集団になりますね。うちが見れませんってなると、どこにも受け皿がない。だから、最後の砦ですよね」
アメポケ「なんか、、かっこいいっすね」
宮本さん「これがうちの特徴なんですよ」
アメポケ「(スルーされた…)確かに、そうですね。きのこ老健さんの認知症専門ってイメージは、とても有名ですもんね」
宮本さん「うん、そうだね。でも逆にそこが求人のハードルをあげてしまってるようで、あそこは高いレベルを求められるんじゃないかってイメージがあるみたい」
宮本さん「それもあって、全国から面接に来られることもありますよ。沖縄からも来られています。」
アメポケ「すごいですね!!!!」
宮本さん「でも、昔の方が多かったかなぁ〜。今は価値観が変わったのかな?家から通えるところを就職先に選ぶ人が多くなった気がする。」
アメポケ「そうなんですね。そもそも働き手も減ってきてますもんね。」
宮本さん「そうだねぇ。過去にとても良い子が県外から面接に来て、順調に内定に向けて進んでいたんだけど、途中で辞退となっちゃったんよ。ご両親に介護はやめとけと止められたみたいで」
アメポケ「本人さんはやりたかったんですよねー、残念!」
アメポケ「こんな人に来てほしいってありますか?」
宮本さん「そうですね、やっぱりいろんなニーズがあって行動されるので、それを受け止められる人がいいですね。」
アメポケ「ほぉほぉ」
宮本さん「ささっと仕事を終わらせたいと思っても、なかなか思い通りにいかないんですよ。私たちがこうして欲しいと思うことと、違う行動もされたりしますしね。だけどそれがねぇ、楽しいなぁとか、面白いなぁと思える人なら、すごくやりがいがありますよ。」
アメポケ「そうなんですね。」
宮本さん「この仕事をやってて思うんだけれどね、丁寧に真剣に関わればちゃんと返してくれるんですよ。だけど、時間に追われて忙しくて関わり方とか声かけとか雑になると、心ここに在らずな感じをちゃんと見抜かれてるんですよね。」
宮本さん「だから、とてもコミュニケーション能力が必要なんですよ。ちゃんと落ち着いて真剣に相手のことを思って言葉を発する。これを繰り返すと、ちゃんと伝わるんですよ。」
アメポケ「へぇ〜、そうなんですね!」
宮本さん「我々はこれを、“鏡現象”と呼んでる。こちらの表情がそのまま返ってくるんですよ。」
アメポケ「確かに!それは介護の現場以外にも当てはまりますよね。」
宮本さん「うん。そして、認知症の現場では特にそうなんだよね。感じた感情をすぐ返してくれるので、わかりやすいんです。」
宮本さん「見えない人や物が見えたり、大きなカブが見えたり、認知症の方は脳の誤作動でそういったことを感じられます。まさに不思議の国ですよ。その不思議の国が楽しめるかどうかですね。そう捉えてからは、自分の価値観だけで判断しないなどの、受け入れる側の専門性が必要です。」
アメポケ「勉強になります!!」
宮本さん「思うんですけどね、目が見えない人は指先で点字が読めるじゃないですか。点字ブロックの上をちゃんと歩けますし。目が見えない分他の部分で補っている。点字ってなかなか触っても読めませんよ。それだけ指先の感覚が研ぎ澄まされてる。」
アメポケ「そうですね、確かに。」
宮本さん「認知症の方も、どんどん記憶力が低下していく。脳に異常が起きているわけですから、その障害を受けている部分を補うために、感性が発達しているよう感じます。感性が研ぎ澄まされているよう思います。だから見られているんです。」
アメポケ「その捉え方って、すごく大切ですね。」
宮本さん「そう!そこが専門性なんです。扉の開け方、ノックの仕方、足音、それらで全部見抜かれているんです。だから、同じ声かけでもAさんとBさんで全然違うこともありますよ。Aさんには否定的なのに、Bさんにはニコニコ対応するとか。」
アメポケ「これ、、、普通に勉強になります。ありがとうございます。」
宮本さん「これが、“認知症専門”だからですね。」
アメポケ「ちなみに、社内での研修はありますか?」
宮本さん「ありますよ。認知症専門医もいますし。ですが、やはりそれを踏まえた上で実践です。丁寧に、その人に届けるように、その人に対応できるか。あと、認知症は進行すると視野が狭くなります。正面に立たないと認識されないことがあります。だから、斜めからお声がけすると伝わらないこともあります。認知症の症状によっての対応があるので、それは知識が必要ですね。」
アメポケ「それを実践していくのはどうしても初めは不安があると思いますが、それらのサポートはどのようにされていますか?」
宮本さん「うちのユニットは入居者が10人に対して約6人のスタッフがいるという、2:1以上の配置ですし、ユニットごとに職員が固定なんですよ。なので、チームケアができているため教育がしやすいです。」
アメポケ「それでしたら、チームごとに小規模で教育していくってことですね。」
宮本さん「はい。ケアも教育も、小規模がいいんですよね。家族さんへの対応も、これがいいんです。小規模な分、密に関われるので。」
アメポケ「いやぁ〜、、、これ良い記事書けそうです。ちょっと中を見学してもいいですか?」
宮本さん「いいですよ!こちらへどうぞ。」
エレベーターで2Fへ、、、
アメポケ「お邪魔しま〜す」
スタッフさん「こんにちは〜」
アメポケ「(確かに小規模でスタッフさんが常に寄り添っている感じ)」
ちょうどお茶を作られていました。
きのこ老人保健施設様は、認知症専門の老人保健施設。これ、そうそうないんですよ。80床全てが認知症専門フロアです。認知症3のA以上の方が入居されています。
みなさまとてもプロ意識をもたれていて、まさに専門家集団という感じでした。やっぱり、専門家ってかっこいいですね。
お邪魔して感じたのは、臭いがないんです。良い香りがします。これって、日々の細やかな配慮がないとなかなか難しいことだと思います。神は細部に宿ると言いますが、まさにそのような感じでした。とても素敵な施設でした!!
そんなきのこ老人保健施設様では、新しい仲間を募集されています。
ぜひこれをご覧いただいたあなた、認知症のエキスパートになってみてはいかがでしょうかっ!!!